きゅーさんの一日一善

のんびりと、気の向くままに。

読書記録帳:【すばらしい新世界】を読む

こんにちは!

先日ブログの路線変更を告げ、早速それに従って、読んだ本の記録をしようかなと思います!

どうせ1ヶ月のしないうちに途絶えるんだろとかいうのはナシで。

 

ちなみに、普通にネタバレしていくと思います。(*推理ものはもちろん伏せます)できる限り避けたいなとは思いますけど・・・・レビューじゃなくて、記録だもんね。ネタバラシされて興ざめ!と思う方、ごめんなさい。

でも、ネタバラシされたから読まない!と決めるのはあまりにも勿体無い!と勝手に思ってます。

 

記念すべき(?)第1冊目は

オルダス・ハクスリーすばらしい新世界です。

 オーウェルの「1984」と並ぶディストピア小説SF小説の金字塔です。

オーウェルのものもそのうち記録します。

 

光文社古典新訳文庫のものを読みました。こちらからどうぞ!

 

基本情報

作者はオルダス・ハクスリー。1900年代に生きたイギリス人作家です。1932年に刊行。

 

タイトルの「すばらしい新世界」 、これ英語では"Brave New World"と名付けられています。シェークスピアの「あらし(The Tempest)」からの引用です。劇中のヒロインが初めて人間を見たとき、その素晴らしさに驚いて発したセリフだそうです。が、この本はディストピア小説。もちろん皮肉って使用しています。

確かヒロインだったと思うんですけど・・・違ってたらごめんなさい。

あらすじ

フォード紀600年、ロンドン。幾度かの激しい戦争の末、人々は安定した幸せな生活を享受している。子供はクローン技術で生産される。生まれた子供たちは階級に応じた身体的特徴を付けられ、「条件付け」や睡眠教育によって、定められた階級を喜んで受け入れるよう仕向けられている。またフリーセックスが奨励され、人々は快楽に身を任せる生活を送っている。憂鬱なものは誰一人いない。万一気分が沈んだら、政府が支給する快楽薬「ソーマ」がある。人々は皆幸せで、不満のない社会に暮らしている。

 

そんな中、社会に疑問を持つ3人が登場する。階級にそぐわない容姿をもち、社会に馴染めないベルナード、詩の天才でまさしく勝ち組だが、何かが足りないと感じるヘルムホルツ、そして未開の集落から来た"野蛮人"ジョンである。主にジョンと、彼の恋人で新世界の模範的な市民レニーナを軸にシナリオは進んでいく。彼らはそれぞれ問題を解決しようとするが、たどり着いた末にあったのは・・・・

考察・考えたこと

不幸を感じることがない生活、すごく魅力的じゃないですか、まさしくユートピアじゃないですか!はじめは少しこの新世界に惹かれつつあるのですが、だんだんこの新世界の代償が見えて来ます。

 

この作品と並んで有名な『1984』や『華氏451度』の世界のような抑圧、息苦しさはこの社会には全くない。確かに人々はみんな幸せ、社会は素晴らしく合理的に動いている。でもそれって本当の幸福なの?幸せの代償に「人間性」を失ってはないだろうか?という疑問が投げかけられた作品です。

感想

 ディストピア小説といえば、暗く陰鬱で、抑圧された人間社会を描いたものが多いのでは。そんな中、この作品はむしろ全員が幸せに生きている。だけどやっぱりディストピアなのだ。他とは切り口が違ってすごくユニーク。

 

そして、この新世界、どことなく現代社会に似ているような気もします。あと数十年したら本当にこの小説のような新世界になってしまうかもしれないなーなんて思いました。実際、科学技術が重視され、芸術や古典の有用性を質問する人もちらほら見かけます。この小説、書かれたの1900年前半ですよ。すごい!

 

資本主義=正義!と考えがちな私に、いやいや資本主義だって危険はあるよと主張するこの作品。今私は幸せに生きているけど、それって本当の幸福なのか?と考えさせられた。

 

野蛮人ジョンの末路が少し残念だったなと思いました。ちょっと可哀想・・・。もっと他の結末があったらよかったのになあ・・・と感じた。

 

 

どうでしょう?ガラリと路線変更して少しお堅い感じになっちゃったけど、相変わらずのノリのグダグダ日誌も書き付けるつもりです。また、この本は勉強したものなので他の記録よりも少し真面目な感じになっちゃった。

 

今回記録した本は結構真面目〜な感じだけど、かなり読みやすい(翻訳にいくつか注釈がついてあってわかりやすい!)ので、読んだことなかったら是非読んでほしいな〜て思っています。ちょっと真面目な本を読んだあと、ちょっと賢くなった気にならない?

本当に賢くなったらどんなに人生楽になることか〜

 

ではでは!またお会いしましょう!